活動報告

2025年7月例会 金融について

中小企業経営者向け 金融実務のポイント

1. 銀行融資の限度額と判断基準

  • 銀行は営利企業であり、融資には営業目標と審査基準がある。

  • 融資限度額の目安:

    • 月商の3〜4か月分(業種による)

    • 債務償還年数5〜7年以内

    • 経常利益の10倍以内

  • 銀行審査で重視される指標には、自己資本比率、キャッシュフロー、在庫回転などがある。

2. 設備投資手段の選択

  • 自己資金:金利不要、コスト安だが資金拘束あり。

  • 銀行借入:所有権保持、低金利。ただし返済義務あり。

  • リース:初期負担少ない。全額損金処理可能だが総支払額は割高。

3. 担保と保証人の選択

  • 担保提供の方が責任が限定的。可能なら物的担保を優先。

  • 保証人は責任が重く、慎重な判断が必要。

4. 資金繰り悪化時の対応

  • リスケ(返済猶予)でまず負担軽減 → 改善が見えたら追加融資へ。

  • 一時しのぎの融資より「止血(赤字解消)」が重要。

5. 緊急時の資金繰り対策

  • 資金繰り表の作成

  • 回収・支払条件の見直し、在庫・資産売却

  • コスト削減(固定費、サブスクなど)

  • 公的融資、ファクタリング、銀行借換等の検討

  • 高金利の借入や税・社保の滞納はNG

6. 銀行との良好な関係構築

  • 日頃の情報共有と信頼構築が重要(決算説明・支店訪問など)

  • 金利交渉は複数行との関係構築、タイミング、支店事情の把握がカギ

7. 銀行の事情と注意点

  • 銀行側も営業目標達成に迫られており、利益重視。

  • プロパー融資より保証付き融資を優先しがち。

  • 担保、私募債、シンジケートローンなどを勧められることもあるが、内容を精査すべき。

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