〇今回の研究会は、投資家の鈴木将史さまをゲスト講師として実施しました。
略歴
1965年 愛知県名古屋市生まれ
会社員を経て、51歳で投資家に転身。現在は、セカンドハーベスト名古屋、野宿者を支援する会、子ども食堂、等のボランティア活動に参加している。
現在の本業は、【配当&優待】投資家。
「株式貯蓄」
日経新聞の「十字路」という記事で個人の株式投資家の減少が多くの記事で取り上げられた。当時の証券会社が提案した「株式貯蓄」は、比較的低リスクの長期投資を促す戦略で、電話販売も行われた。個人投資は一時復活したが、バブル崩壊後に投資アレルギーが広まり、高配当は外国人や金融機関に流れる傾向がある。高齢化が進む中、インカムゲインの重要性が増す中、個人投資家はリターンが少ない債券投資に頼るしかない状況にある。
下図は、2020年の国内の預金利息と株主配当(上場企業)の総額を示している。預金に対する利息の総額は1200億円である一方で、配当は14兆円であり、利息の116倍である。資産形成を考えるうえで、貯蓄より配当を狙うべきと考える方が自然である。
投資戦略
短期的なキャピタルゲインより長期的な視点でインカムゲインを狙う方が、最終的なリターンは大きい。また、株主優待については、その企業特有の製品を提供しているものを選定する。自社製品である為、配布コストも低く抑えられ株主にとって有利である(自分に合ったものを選定することは大事)。また、収益の源泉がどこにあるのかを考えることが大事。宝くじは50%が国庫にはいる、その一方で競馬ではJRAに入るのは25%である。
銀行・証券会社の選び方
ネット銀行を活用するのが合理的。無用な勧誘を受けることがなく自身の責任において投資活動ができるから。営業担当からの勧誘はその立場から会社都合の商材をすすめてくるため、必要なし。
いつ買うか?いつ売るか?
買 のタイミングは、「買いたいとき」。売り のタイミングはお金が必要になったとき。
カンタンな理屈だが、これを実行するのが非常に難しい。キャピタルよりインカムと考え、心の平穏を乱すことなく自動的に売買することが大事。
人の心理、心の平穏
利益と損失。損失は利益の2倍ほど大きく感じるのが心理。人から勧められる銘柄を買うと言い訳になってしまうので、自分自身で決めた銘柄を買うことが大事。市場が下がったら、同じ価格でより多くの株が購入できるチャンスと考え、一喜一憂しない。ちまたのマネー本を読みすぎない。
お金に働いてもらう
複利の考え方が大切。配当や分配金は再投資する。
その他
優待の調べ方・選定基準
ネット検索を使い、現在の生活の中で活用できる優待を選定する。生活消耗品などはGOOD。本業と関係ない優待は選定しない。また、地元企業を応援する視点あり。
投資信託は?
総資産の4%ほど。あまり活用していない。
おすすめ書籍は?
山崎元氏、「お金の増やし方」「経済評論家の父から息子への手紙」
大江英樹、「お金の賢い減らし方」
田村正之、「老後貧乏にならないお金の法則」等